【新人看護師】辞めたい理由は？対処法と辞める判断基準6つ【退職時期】

配属された環境、業務、新しい人間関係に慣れるのって苦労しますよね。

看護師の職業は命に関わるため、常に緊張感との隣り合わせ。

あまりの激務に「辞めたい」と感じる新人看護師もいるでしょう。

この記事は、看護師を辞めたい新人さんに向けての記事です。

新人看護師が辞めるデメリットや、退職理由の伝え方、転職活動がうまくいくポイントについて解説します。

＼まず読んで！／

新人看護師は辞めたいきっかけが多い

理由は人それぞれですが、看護師を辞めたいと思う新人は多いです。

日本看護協会によると、新卒看護師の離職率は10.3％！
（出典：日本看護協会「2022年病院看護実態調査」）

つまり10人に1人以上辞めているのです。

学生時代とは違うプレッシャーや初めての人間関係で疲れてしまうことも。

新人看護師は具体的にどんな理由で辞めたいと思うのでしょうか。

新人看護師が辞めたいと思う理由7つ

新人看護師が辞めたいと思う理由は大きく7つあります。

優先順位がうまくつけられない

患者さんを受け持つ人数が増えると、その分把握することも増えます。

点滴や処置、検査などの優先順位を間違えると患者さんや他のスタッフに迷惑がかかることも。

自分のできなさに落ち込み、辞めたいと感じる人も多いでしょう。

先輩にきつい言葉で叱られる、悪口を言われる

上手くできないことに対し、先輩看護師から強い言葉で叱られることもあるでしょう。

先輩との相性が合わなかったり、悪口を言われたりして、辞めたいと感じる新人看護師もいます。

教育体制に不安を感じる

勤務先によっては、人手不足やマニュアルが不十分で、教育体制が整っていない場所もあります。

プリセプターと勤務が合わず、誰に聞いていいかわからない、仕事がうまく進まないと感じる人もいるようです。

イレギュラーなことに対応できない

検査の追加、急変、救急搬送、緊急入院など、病院はイレギュラーなことが起こりがちです。

新人看護師は、臨機応変に対応する力が不十分なため、落ち込んでしまう人もいます。

勤務時間内に仕事が終わらない

受け持ち人数が増えると、一日はあっという間です。

患者さんの対応や記録で、帰る時間は21時、なんてことも…

新人看護師はその忙しさについていけず、続ける自信を無くしてしまう人もいます。

仕事が終わっても勉強が必要

新人のうちは家に帰ってからも病気の勉強や業務の振り返りが必要です。

昼間は勤務、夜は勉強で…

なかなか頭が仕事モードから切り替えられないのも、理由の一つです。

同期と比べ劣等感を感じる

自分より先に同期の受け持ち人数が増えたり、夜勤業務が始まったりすると、焦りを感じます。

自分に対する劣等感や、情けなさを感じることも、落ち込む理由の一つです。

新卒看護師は辞めたい人が多い！離職率10.3％！

新卒看護師の離職率は2017年度以降、増加傾向です。

2021年度は初めて10％を超え、10人に1人以上辞めている計算になります。

最大の理由は現場で思うように動けない、精神的な負担や落ちこみからくるリアリティショック。

新人看護師は業務の負担や責任、技術の未熟さから、一人で抱え込み退職を選ぶ人が多いのです。

（参考：日本看護協会「2022年病院看護実態調査」）
（参考：新卒看護師の離職理由と就業継続に必要とされる支援内容に関する文献検討 片桐麻希、坂江千寿子）

新人看護師が辞めたい！辞めるデメリットは？

実際に看護師を辞めるとデメリットもあります。

看護師が辛いからといって、勢いで辞めてはいけません。

新人看護師が辞めるデメリットは、大きく分けて3つです。

すぐ辞める人だと思われる

新人看護師が次に転職する際、またすぐに辞めるのではないか？と思われる可能性があります。

次の転職先は、あなたの人柄を良く知りません。

知っているのは、短期間で辞めたという事実だけです。

嫌なことがあるとすぐに逃げ出すのではないか、来なくなるのではないか、という人は避けたいと思っています。

「採用するからには長く勤めて欲しい」というのが本音です。

奨学金の返還を求められる

学生時代に奨学金を借りていた人もいるでしょう。

病院奨学金とは指定の年数働くと、借りたお金が全額免除になる制度です。

しかし、途中で退職すると返還を求められます。

分割払いが可能な病院もありますが、退職日に一括で支払いを求める病院も…。

自力で返済できない場合は、親が支払ったり、銀行でローンを組む必要があります。

（参考：日本赤十字社医療センター奨学金貸与規程）

◯退職決めて感じたこと
・体調悪いなら、まずは休職や配置転換を上司に相談。拒否されるなら、退職代行使っていいレベル。　
・病院奨学金は、すぐ返せないようなら親や銀行ローンを利用検討。私の周りで奨学返済する人はそうしてた。
・生活費は数カ月分くらいあると焦らず転職活動できるよ！

— KEN＠精神科ナース (@kennursefire) June 22, 2019

同期と比べて看護技術や経験に遅れが出る

途中で辞めてしまうと、同時期に入職した看護師との技術や経験、知識に差がでます。

1年目は臨床で働くために必要な基礎知識や技術を吸収し、経験する時期です。

この時期を逃してしまうと、同期の看護師との間に大きな差が開いてしまいます。

成長した同期と自分を比べ、モヤモヤしてしまうかもしれません。

新人看護師が辞めたい！辞めるメリットとは？

新人看護師で辞めるメリットもあります。

看護師はどこも不足しているので、退職しても働くところはたくさんあるからです。

具体的に解説しますね！

気持ちが切り替えられる

つらいと感じながら看護師をしていた人は、物理的に距離をとることで気持ちが切り替えられるでしょう。

仕事を休職し、ある程度の期間を経た後、復帰するというパターンで乗り超える人もいます。

しかし、根本的な悩みが解決されないと、復職がうまくいかないことも。

あえて退職を選ぶことで、もう戻らなくてもいい！と気持ちが晴れやかになれますよ。

自分の向き、不向きがわかる

自分に向いていないところはさっさと辞めて、次へ進む！というのも大きなメリットです。

人はそれぞれ特性が違うので、仕事内容にも向き不向きがあります。

仕事をしている最中もずっと辞めたいと考えているのなら、その職場は向いているとは言えないでしょう。

看護師が向いていないのではなく、職場環境が合わないだけかもしませんよ。

新人として育ててもらえる

新人で辞めたとしても、また一から育ててもらえるメリットがあります。

転職先は長く働いてほしいので、年齢が若ければ一から教育してもらえますよ。

1年目は周囲から教えてもらったり、目をかけてもらえたり、何かと気にかけてもらえる時期です。

できないことや、わからないことはそのままにせず、謙虚な姿勢で取り組みましょう。

新人看護師も辞めたい！辞めるかどうかの判断基準6つ

誰にでも「看護師を辞めたい」と思うタイミングはあります。

辞めたいけどいいのかわからない…という人はぜひ参考にしてください。

パワハラやいじめ

新人は経験年数のある看護師と比べて、先輩や上司からのパワハラを受けやすいです。

何度教えてもうまく動けない新人看護師に対して、イライラする先輩は一定数います。

指導の域を超えた、人格を否定するようなパワハラを受けた場合はまず、一度上司に相談しましょう。

メンタルを病んでしまっては、これからの看護師人生が台無しです。

聞き入れてもらえない、もう耐えられないという場合は、思い切って離れることをおすすめします。

教育体制が整っていない

教育体制が整っていないと、新人看護師は戸惑います。

名ばかりのプリセプター制度、誰に聞いていいかわからない、忙しすぎて正しい指導は後回し…

こんな職場では不安で押しつぶされそうになりますよね。

看護師の基礎的な部分が作られる時期に、十分な教育がなされない職場は辞めることをおすすめします。

残業が多すぎる・残業代が出ない

残業の多さと残業代は永遠の課題です。

令和の時代になっても「新人は残業代はもらえなくて当たり前」「仕事が遅いのは自己責任」という風潮が消えません。

残業が多すぎるにも関わらず、残業代を一切つけたらダメ！というルールは労働環境的にもブラック。

残業は仕事に慣れてきたら減る可能性はありますが、管理体制は簡単に変わらないのが現状です。

食事や睡眠がとれず体調を崩す

仕事のストレスで食欲がなくなり、体調を崩す人がいます。

ストレスがうまく解消できないと、眠れない、食欲がない、動悸がするなどの心身の不調をきたす人も。

心身が健康でないと人の看護はできません。

仕事から一度離れて、自分の健康を第一に過ごしましょう。

常に辞めたいと考えているとき

辞めたいと一日中考えている時は、仕事に集中できず、インシデントを起こす可能性があります。

常に悩みながら仕事をしていると、表情が暗くなりミスをしてしまうことも…

この状態が続くと大きな事故につながります。

アクシデントを起こしてしまう前に、周囲や上司に相談してみましょう。

仕事に支障をきたす前に、思い切って離れてみるのも良いかもしれません。

辞めると心に決めたとき

どんな理由であれ、あなたが辞めると決めたらその時が辞めどきです。

辞めると心に決めるまでには、いろんな悩みや葛藤があったでしょう。

眠れない日も、食欲がなくなった日もあったかもしれません。

辞めて悩みが解決するのなら、思い切って辞めましょう。

あなたのことを一番知っているのは、あなた自身。

間違った判断ではないはずです。

新人看護師で辞めたいなら気を付けよう！退職理由の伝え方

辞めると決めたら、次に考えるのは退職理由の伝え方です。

伝え方が悪ければ、退職日まで気まずい思いで働かなくてはなりません。

ここでは、退職を伝えるときに気を付けたいポイントを説明します。

退職の報告はまずは師長に

退職すると決めたら、まずは直属の上司である師長に報告します。

ポイントは、必ず師長が一人でいる時に「大切なお話があります。」と伝え、他の人に聞かれないようにすることです。

親しい先輩に相談をする際も、注意が必要です。

相談した内容が、他のスタッフに漏れてしまい、トラブルになった事例も…

相談は本当に信頼できる人に、退職の報告は【必ず最初に師長へ伝える】のが鉄則です。

相談ではなく退職する意思をしっかり伝える

「退職を考えていて…」と曖昧に伝えると相談だと思われ、引き止めにあう可能性があります。

引き止められるとズルズル流されて、結局辞められないことも…

そうならないために、退職したいという意思ははっきりと伝えましょう。

民法上では退職の申し出から2週間後に退職が可能です。

しかし看護師はシフト業務なので、いきなり2週間前に言う迷惑がかかります。

シフトを組む余裕を持たせるため、3ヶ月前には伝えるのがおすすめです。

前もって伝え、現場に負担がかからないようにしましょう！

（参考：厚生労働省-退職の申し出は2週間前までに）

退職する理由を病院や人のせいにしない

退職する理由が、病院やスタッフであったとしても、できるだけ言わないようにしましょう。

「病院のせい、人のせい」は結局あなたの評判を落としてしまいます。

その病院で長年働き続けているスタッフもいるので、残された看護師と関係が悪化してしまうことも。

退職する理由は自分にあることを意識して、伝えるようにしましょう。

本音と建前を使い分ける

退職理由は、本音を包み隠さず話すと、反感をかう場合があります。

「○○先輩とうまくいかないのでもう我慢できません。辞めたいです。」は、理解されにくいでしょう。

大事なのは、本音と建前を使い分けること。

ポイントは、冒頭に感謝を述べつつ、病院がどうすることもできない退職理由を考えておくことです。

特に、「家族が…」「子育てが…」など家庭の事情は病院が介入できないのでおすすめです。

家庭の理由がない場合は「どうしても続けられることができない」と強調してみるのも良いでしょう。

師長も新人看護師の辛さを理解しているため、すんなりと受け入れてくれるでしょう。

【もっと使える！】退職理由24例はこちら

看護師を辞めてどうしたいかを伝える

看護師を辞めて、他の転職先でどんなことをしたいのかを付け加えると、説得力が増します。

現在の病院にはない診療科で働きたい、在職中ではできないことを伝えるのがポイントです。

人によっては、転職先が決まってから、師長に退職の報告をする人も見かけます。

看護師の世界は広いようで案外狭いもの。

最後まで失礼のないようにしましょう。

新人看護師が辞めたい場合、転職活動がうまくいくポイント3つ！

新人看護師の転職活動がうまくいくコツは【準備と対策】です。

じっくり考えても、ポイントを外すとまた転職を繰り返すハメになります。

ここでは転職活動がうまくいくポイントを紹介します。

どんな職場で働きたいかを明確にする

まずは自分がどんな職場で働きたいかを、洗い出してみましょう。

どんなに人間関係がよいという病院でも、大なり小なり人間関係のトラブルはあります。

人間関係が良くて、給料が高くて、スキルアップもできて、定時で帰れる！なんて職場はありません。

ポイントを挙げて、どうすれば前職で辞めた理由を解消できるか考えましょう。

病院見学で現場を見る

可能な限り病院見学はしておきましょう。

病院見学をすると、自分が働いている姿をイメージできます。

求人内容には条件が良さそうなことが書いてあっても、実際に見学してみたら見えてくることがあります。

病院見学で実際に見えた悪い点

感染対策が徹底 されていない	使い捨てタオルがない 手拭きが共用 ナースキャップを着用している
人手不足 安全管理不足	ナースコールが鳴りっぱなし 廊下に車いすが散乱している
人間関係が 悪い	スタッフの挨拶がない 顔に覇気がない 病棟が異様に暗い

感染対策が徹底されていない	使い捨てタオルはなく、タオルが共用 ナースキャップを着用している
人手不足、安全管理が不足	ナースコールが鳴りっぱなし 廊下に車いすが散乱している
人間関係が悪い	スタッフの挨拶がない、顔に覇気がない 病棟が異様に暗い

実際に見て「ここはマズいかも…」という直観は結構当たります。

見学をすることで失敗を防げますよ。

ポジティブに答えられるよう面接対策をする

転職活動で大切なのは面接対策です。

短期間で前職を辞めたことは、面接時に必ず聞かれます。

これは、転職先も「短期間で辞めてしまわないか」と心配しているからです。

だからこそ大切なのは、ポジティブな転職理由をあらかじめ考えておくこと。

間違っても、前職の悪口や人間関係で辞めたなどは言わないようにしましょう。

次の職場では長働きたいことを伝えるようにしましょう。

頑張りたいことややりたいことも言えるとポジティブさが足されて良いですね！

以下の例文は、筆者が実際に面接時に伝えた退職理由です。

少々ハードな職場を選びましたが、自分の納得した転職ができたので大満足でしたよ！

新人看護師が辞めたいなら？転職サイトを活用して自分にあった病院をみつけよう！

「病院を辞めたいけれどどうやって次を探せば良いかわからない…」と悩む人もいるでしょう。

新人看護師のうちは知り合いが少ないので、自力で就職先を探せないことも多いです。

だからこそ、転職サイトで求人を見てどこが合いそうか探してみるのが良いですよ。

【まとめ】新人看護師でも辞めて大丈夫！自分にあった職場に転職して楽しく働こう

就職先が自分に合わなかったら、新人看護師でも辞めて大丈夫です。

実際に新人時代に辞めて、今では師長になっている人もいます。

これから長く続く看護師人生。大切なのは、自分がどう進みたいかですよ。

病院の内部情報は分かりにくいもの。

そんなときは、エージェントを活用して、転職活動に役立てましょう！