【新人はサービス残業ばかり！？】残業が多い理由６つとその対処法

看護師1年目って本当に残業が多いですよね。

しかも残業の多くはサービス残業で無給です。

また、『残業代が支払われるなら頑張れる！』という人のために、残業代を請求する方法についても紹介します。

新人看護師に残業が多い理由６つ

新人看護師はどうしてサービス残業ばかりなのでしょうか。

とにかく大変な理由がありすぎるのです。

1つ1つ解説していきます。

①記録が多すぎる

まず1つ目は記録が多すぎることです。

看護師の仕事は点滴したり注射だったりを思い浮かべると思います。

ですが、実は労働の比重が高いのは『記録』なのです。

看護師は患者さんの状態や薬が飲めているか、何回トイレに行ったかを細かくカルテに記録します。

経過観察はもちろん、看護実践の証明や看護の質の向上、患者の容態が急変したときの参考資料にもなります。

ただし勤務時間内に書類を記入している時間がないので、引き継ぎのあとに作成することがほとんどです。

新人看護師の場合、これらの業務にすごく時間がかかり、残業することが多いです。

②急変の対応で時間が読めない

急変対応で時間が読めないのも残業の要因です。

患者さんの状態がいつどうなるかは予測できません。

残業をしないために早めにタスクをこなしていても、急な状態変化で仕事は増えてしまいます。

例えばナースコールや急患対応。

朝は元気だったのにお昼すぎにお腹痛いとナースコールがなったり、頭が痛いと呼ばれたり…。

人員にゆとりがある病院なら手が空いている看護師が対応することができますが、そうでない病院の場合、急変対応があると通常業務が遅れます。

ナースコールは引き継ぎの時間を待ってくれませんし、毎回急変に対応していると気づいたら残業の時間になっていた…なんてことも。

通常業務にもゆとりがなく、急変があったとしても引き継ぎにくく、残業になってしまいます。

③検査や手術が延長する

手術、検査が延長することもあります。

患者さんの状態にもよるのでやはり時間通りにいきません。

検査中になにか異常があれば通常よりも長い時間を費やすことになるし、手術も予定通り終わらないことが多々あります。

そうなると検査室や手術室のナースの残業はもちろん、病棟に帰るのを待つ病棟ナースも残業することになります。

不確定な要素が多いからこそ、現場のナースに皺寄せがいって残業を強いられることが多いのです。

④研修や委員会、勉強会が多い

研修や委員会、勉強会は不定期に開催されます。

特に新人は看護師としての知識や技術が足りないので出席必須のものが多いです。

これは勤務時間外に行われることも…

定時を過ぎてからの勉強会なので残業時間は増えます。

⑤勤務交代時の引き継ぎ

看護師の勤務は交代制(2交代と3交代がある)なので就業時間になったら次の勤務帯の看護師に引き継ぎをします。

すんなり引き継ぎができれば良いのですが、なかなかそうはいきません。

特に自分の勤務時間に急変した患者さんや新規に入院した患者さんがいると伝達事項も多くなります。

それゆえ引き継ぎに時間がかかってしまうのです。

結果として時間内に引き継ぎが終わらず残業する羽目になります。

⑥先輩が忙しいと報告できない

新人看護師は先輩看護師とペアで動くことが多いです。

そのため、どんな処置をしてどんなことができるようになったのかを毎回報告する必要があります。

もちろん先輩自身も自分の仕事があるので、自分のタイミングではなく先輩の手の空いたときに報告します。

ただし看護師たちは慢性的な人員不足です。

一人当たりの受け持ち患者数によっては勤務時間内に業務を終わらせることも簡単ではありません。

そうなると先輩の忙しさによって、自分の仕事を終えるタイミングも変わってしまいます。

結果として報告業務が終わらず、残業することも多いです。

新人看護師が残業を減らす方法３つ

残業代を請求する方法を3つ解説します。

仕事の効率化を図り、人に頼り協力し、環境を変えることも残業を減らすためには重要なことです。

①記録の型を作る

新人看護師の仕事で一番時間がかかるのは記録です。

必要な仕事をできるだけスムーズにできるような工夫をすることは大切です。

事故や誤診を防ぐためには、正確に書く必要があります。

ただしこれをまとめるのに慣れるまで、最初は時間がかかります。

でもある程度慣れてくると、どんなことが重要で、どんなことを書けばよいのかわかるようになります！

ある程度、型にはめたカルテ記載ができるようになるのです。

型やテンプレがあると、早く書くことができるので自分なりの効率化を図っていきましょう！

電子カルテによってはカルテの型をテンプレとして保存できるので、それを活用すると良いでしょう。

②人を頼る

新人看護師は一人で抱え込みがちです。

でも一人でできることには限界があります。

人を頼ることは決して悪いことではありません。

頼らずに頑張っていても、根本的に間違っていて最初からやり直しなんてことにもなりかねません。

全部を丸投げするのは良くないですが、抱え込みすぎず適度に人に依頼するのはむしろ賢いです。

③残業の少ない部署へ異動する

病棟や手術室は患者さんファーストなところがあるのでどうしても時間が読めず、残業が多くなりがちです。

それに比べて透析室や外来は、時間内に終わることが多く、あまり残業がありません。

やりたい分野や科目がある場合はそうはいきませんが、残業の少ない部署へ異動するのも1つの手です。

自分のプライベートを優先することも決して悪いことではありません。

あまりに残業が多すぎる場合は異動を申請するのも良いでしょう。

残業代が払われていないなら請求しよう

新人看護師の場合残業代が払われないこともあります。

お金に関することは人に相談しにくいと思う人も多いですが、残業代を請求することは当然の権利です。

いくら基本給が支払われているといっても、時間外に無賃で働かせるのは明らかに違法です。

新人でもベテランでも平等に時間外手当は払われるべきなのです。

もし払われていない人がいたら請求しましょう。

まずは匿名請求がおすすめ

新人看護師の中には、このように思い泣き寝入りする人がほとんどです。

そういう人はまず匿名請求から始めてみましょう。

匿名で請求すれば身バレリスクは低いですし、払ってもらえたら万々歳です。

たとえ払ってもらえなかったとしても何もバレていないなら失うものがないですからね。

【新人看護師は残業代ゼロ？】誰にもバレずに残業代を取り返した話

転職して環境を変えるのもあり

あまりにも残業が多く、今の環境を変えたい場合は転職するのも手です。

今の病院・病棟だけが働く場所ではありません。

看護師の仕事は、幅広くあります。

残業がないクリニックや病院もあるのです。

私も残業や人間関係に苦しんで看護師を辞めようと思っていた1人です。

残業で悩んでいる人の参考にしてほしいので、体験談を少し紹介します。

美容皮膚科に転職してから残業はゼロ

元々は病棟勤務から美容皮膚科勤務に転職したのですが、美容皮膚科では残業は０です。

クリニックは19時閉店なので、その閉店時間に終わらない施術は予約を入れません。

もし、患者さんが予約時間に遅れてきたときも次の患者さんの迷惑になってしまうのでお断りしています。

なので一度も残業をしたことがありません。

私が勤務しているクリニックだけが特別ホワイトというわけではありません。

業界全体が想像以上にホワイトです。

良い職場環境なので転職を考えても良いでしょう！

まとめ

病棟勤務の場合、新人看護師は残業が多く研修や勉強会など自分のスキルアップに必要なものもたくさんあります。

ほかにも、記録の多さや、急患対応や引き継ぎの時間などが残業の理由として挙げられます。

残業を減らすためには、仕事の効率化や人を頼ることの大切さを紹介しましたが、それでも残業時間は長く、その多くの場合は無給です。

憧れの看護師になったんだから仕方ないと思う人もいますが、残業が発生しなくても就業時間内にスキルを磨ける職場もあります。

残業を受け入れるのか、受け入れるのであれば残業の請求はするのか。

残業よりもプライベートを優先したいのであれば、看護師としての今後のキャリアを考えたうえで、転職を含めて考えてみましょう。