美容看護師と病棟看護師の違いは何？給料や向いてる人を解説！

病棟で働く看護師の中には、美容クリニックに憧れる人もいますよね。

美容クリニックは、病棟と仕事内容が大きく異なるので戸惑う人も多い仕事です。

美容クリニックで働いてみると、理想と現実のギャップに驚くかもしれません。

その前にしっかり情報収集して、美容クリニックの仕事を理解しましょう。

＼まず読んで！／

美容看護師と病棟看護師の違い3選

美容看護師と病棟看護師の違いを解説します。

来院する患者の目的や看護師のシフトが異なります。

対象患者

美容クリニックと病院では、対象患者の目的が異なります。

病院は、病気の治癒や緩和目的で治療する患者さんが対象です。

看護師は患者さんの病気や術後のケアをしたり、不自由な人の介助やリハビリが主な仕事。

一方、美容クリニックでは対象患者を「お客様」として接客します。

患者様は「コンプレックスを解消したい」「もっとキレイな肌を手に入れたい」という目的なので、看護師はカウンセリングや美容機器の施術が主な仕事です。

美容クリニックと病院では対象患者の目的が異なるので、必要とされる看護スキルも変わります。

生活リズム

美容看護師と病棟看護師では生活リズムも異なります。

美容看護師	病棟看護師
10～19時 10～20時 11〜20時	二交代　日勤：8～17時 　　　　　 夜勤：16～9時 三交代　日勤：8～17時 　　　　　 準夜：16～1時 　　　　 深夜：0～9時

美容看護師	病棟看護師
10～19時 10～20時 11〜20時	二交代　日勤：8～17時 　　　　　 夜勤：16～9時 三交代　日勤：8～17時 　　　　　 準夜：16～1時 　　　　 深夜：0～9時

有床の病院では三交代や二交代の夜勤が一般的です。

夜勤や日勤が組み込まれたシフトなので、不規則な生活を過ごします。

一方、美容クリニックは10～19時または20時の診療がほとんどです。

シフトが一貫しているので、毎日規則正しい生活を送れます。

看護師の年代や人柄

美容看護師と病棟看護師では、看護師の年代や人柄が異なります。

病棟看護師は20～60代まで幅広い年代の看護師が活躍。

性格もサバサバしている人やおっとり仕事する人までさまざまです。

患者さんに対して「リハビリはこのように行いましょう」「食後のインスリン注射を一緒に打ちましょう」としっかり指導も行います。

一方、美容看護師の年代は圧倒的に20～30代が多いです。

看護師は、患者様に明るく笑顔で対応します。

内服薬やアウターケアの指導を行う一方、「ついつい肌を触りたくなりますよね～！」「お薬の飲み忘れ、私もよくあります！」など共感する姿勢が必要です。

病院では身体を回復へと導くための指導や介助、美容クリニックでは美しくなるための施術を提供します。

美容看護師と病棟看護師の違いは仕事内容！美容ナースの仕事3選

美容看護師と病棟看護師は、仕事内容が大きく異なります。

美容看護師の仕事内容について詳しく紹介します。

カウンセリングや商品の紹介は、美容看護師だからこそ！

カウンセリングで患者様の悩みを聞く

カウンセリングで患者の悩みを聞くのは、美容看護師の重要な役割です。

患者様の悩みを聞いて、適応する治療を説明したり複数の施術を組み合わせて提案したりします。

例えばニキビに悩んでいる患者様に対して、「ニキビに効果のあるメニューはケミカルピーリングやレーザー治療です！」と説明。

そして患者様の予算や通える頻度、ダウンタイムの期間を確認後、契約する流れとなります。

カウンセリングでは患者の悩みを聞くだけでなく、信頼関係を築くために重要な時間です。

レーザーや注射・手術介助を行う

美容クリニックの看護師はレーザーや注射・手術介助を行います。

美容クリニックは美容皮膚科・美容整形外科に分かれており、仕事内容が異なります。

美容皮膚科の仕事	美容整形外科の仕事
ケミカルピーリング フォトフェイシャル イオン導入 ダーマペン レーザー脱毛 HIFU 美容点滴 プラセンタ注射	手術の直接介助 手術の準備・片付け 器具の消毒・滅菌 点滴 注射 レーザー照射

美容皮膚科の仕事	美容整形外科の仕事
ケミカルピーリング フォトフェイシャル イオン導入 ダーマペン レーザー脱毛 HIFU 美容点滴 プラセンタ注射	手術の直接介助 手術の準備・片付け 器具の消毒・滅菌 点滴 注射 レーザー照射

美容皮膚科の看護師は、肌悩みを抱えた患者様にレーザーや注射をするのが主な仕事です。

一方、美容整形外科は豊胸や全身の脂肪吸引、二重整形などの手術を行います。

手術室の看護師のように、手術する医者へ器具を渡すスキルが必要です。

このように美容皮膚科と美容整形外科では、患者様に提供する施術の種類が大きく異なります。

>【種類別】美容看護師の仕事内容

スキンケア用品や内服薬を紹介し販売する

スキンケア用品や内服薬を紹介して販売するのも、美容看護師の役割です。

自由診療である美容クリニックは、スキンケア用品や内服薬も収益アップにつながります。

どれだけ販売できるかは、看護師の力量にかかっていると言っても過言ではありません。

「患者様の肌質ならこの商品がおすすめですよ」「美白にはこの内服薬が効果あります！」など、トーク力が必要です。

美容看護師と病棟看護師の違いはお給料も？年収やボーナス・インセンティブを解説！

美容看護師と病棟看護師は、お給料事情も異なります。

美容看護師のお給料事情について紹介します。

インセンティブ制度は美容看護師ならではの報酬です。

年収や給与相場

看護師の平均年収は、夜勤手当やベテラン看護師の年収も含まれた金額です。

日勤だけで看護師の平均年収またはそれ以上もらえるため、美容看護師のお給料は高水準と言えます。

ボーナス

美容看護師のボーナスは、一般的に基本給の2〜4倍と言われています。

基本給が35万円なら、約70〜140万円の計算です。

美容クリニックは基本給が高水準なので、ボーナスは基本給の約2ヶ月分に設定しているケースが多いようです。

インセンティブ制度

美容クリニックではインセンティブ制度を設けています。

インセンティブ制度とは、収益が良かった時に報奨金がもらえる制度です。

基本給とは別に付与され、売り上げに比例するため、たくさんもらえる時もあれば少ない時もあります。

インセンティブ制度は、個人ノルマと院内全体ノルマのどちらかを取り入れているクリニックが多いです。

個人ノルマは他の看護師と大差が開いたり、「あの人は接客が得意でいいな…」と思い、看護師同士の関係がギスギスする可能性もあります。

院内全体のノルマなら、スタッフ一同で「頑張ろう！」と一致団結してチームワークも強まるでしょう。

>【美容看護師】お給料が高い理由5選

美容看護師と病棟看護師の違いは生活リズム？美容看護師のメリット7選

美容看護師のメリットを紹介します。

美容施術をお得に受けられたり、オシャレできたり病棟とは違う魅力があります！

高いお給料がもらえる

美容看護師の最大のメリットは、高いお給料がもらえることでしょう。

新人として入職しても、初めから高給与をもらえるのは嬉しい特権です。

若いうちにお金に余裕があれば、私生活も充実します。

仕事量や評価に見合ったお給料をもらえれば、自分の仕事に誇りをもって仕事できます。

多少贅沢に過ごしても貯金できるので、お金の心配をしなくていいのもメリットです。

夜勤がなく生活リズムが整う

美容看護師は夜勤がないので、生活リズムが整います。

日本医療マネジメント学会による「夜勤をする看護職の食習慣と生活習慣の実態調査」では、夜勤すると肥満や糖尿病などの生活習慣病になりやすいと指摘しています。

「年をとっても夜勤は体力的に辛い…」と悩む人も多いでしょう。

美容クリニックで働けば、夜勤なしで働いて健康的な身体を目指せます。

最新の美容医療を社割で受けられる

美容クリニックの看護師になれば、最新の美容医療を社割で受けられます。

「美容医療に興味はあるけど、そもそも高いし贅沢な治療…」と足踏みしている人も多いでしょう。

クリニックの職員は、料金の50～80％割引で施術を受けられる、現価格でスキンケア用品を購入できるといった特典を受けられます。

美容好きの人なら、お得に施術を試せてきれいになれたら最高ですよね。

流行の美容医療をいち早くチェックして、施術を試せるのも特権です。

仕事とプライベートを切り替えやすい

美容看護師は、仕事とプライベートを切り替えやすいのがメリットです。

美容クリニックは完全予約制で患者様を診療するので、残業も少なくて済みます。

家に仕事を持ち帰ることもないので、定時に終わった後は完全プライベート。

次の日の出勤もゆっくりなので、夜のレイトショーや女子会を存分に堪能できます。

オシャレして出勤できる

美容クリニックではオシャレが許容されています。

患者様は美しさを求めて来院するので、スタッフも美容や身だしなみは徹底しています。

肌が荒れていたり、身だしなみが不衛生な看護師さんだったら「このクリニック大丈夫かしら？」と不信感を抱かれてしまいます。

「美容クリニックの顔」という自覚を持つくらい、身だしなみは毎日しっかり確認します。

「毎日オシャレして働きたい！」「身だしなみには自信がある！」と、オシャレが好きな人には向いてる仕事です。

美容の最先端を知ることができる

美容クリニックで働くと、美容の最先端治療を学べます。

自己流で調べる美容方法は、できることが限られますよね。

美容クリニックの施術を受ける患者様を通して「こんな効果が出るんだ！」と経過を見ることもできるのです。

急患や急変がなく静かに働ける

美容クリニックでは落ち着いた環境で働けます。

美容クリニックは健康な患者様が来院するため、急変に立ち合うことなく環境です。

患者様がリラックスできる内装やインテリアに統一しているため、落ち着いた空間で働けるのが魅力。

表でも裏でも慌ただしい病棟とは異なり、美容クリニックでは患者様に余裕ある空間で施術します。

美容看護師と病棟看護師の違いは看護スキル？デメリット5選

美容クリニックで働く看護師のデメリットを解説します。

病棟の仕事を忘れたり、クレーム対応もある仕事です。

薬や物品の名称・病態生理を忘れる

美容看護師歴が長くなると、病棟時代の薬や物品の名称・病態生理を忘れます。

病棟では、受け持ち患者さんの病態や治療を総合的にアセスメントして、必要な看護ケアを提供します。

「この病気に対してこの治療薬を使っているな」「この病気だから感染症が治りにくいんだ」と、患者さんの病態とにらめっこしながら奮闘する日々。

一方、美容クリニックでは病院で使う治療薬や病気とは無縁の世界です。

別の世界で働いていれば、病棟時代に培った知識を忘れてしまいます。

しかし、レーザー照射やダーマペンなど美容クリニック特有のスキルを身に付けられます。

新しい職場に慣れて古い記憶を忘れてしまうのは、どこへ転職しても一緒です。

美容クリニックの後に病院へ戻ることがあっても、慣れれば次第に慣れてくるでしょう。

看護師の経歴にカウントされない

美容クリニックで働く期間は、看護師の経歴にカウントされません。

病院と美容クリニックでは、それほど仕事内容が異なるからです。

病院は病気の治療や緩和、美容クリニックはエイジングケアやコンプレックス改善の治療が中心。

「将来は病院に戻るかもしれない…」と不安な人は、美容クリニックを2～3年経験してみるとよいでしょう。

2～3年病院を離れただけなら、戻った時もすぐにスキルや知識の感覚を取り戻せます！

ノルマがあると辛い

美容クリニックは、個人ノルマがあると辛くなります。

営業やトーク力に自信があり、結果を残せる人には向いています。

しかし「押し売りみたいで嫌だ」「上手く商品をおすすめできない」と営業が苦手な人には辛い制度です。

院内全体でノルマを採用しているクリニックの方が、スタッフと一致団結して仕事ができます。

美容クリニックに応募する時は、ノルマの詳細を確認しておきましょう。

患者様のクレーム対応が大変

美容看護師は、患者様のクレーム対応に追われることがあります。

クレームを言う患者様は少数ですが、それでも施術した看護師は対応しなければいけません。

患者様の発言	看護師の対策
「高いお金を払ったのに全然シミが消えてない！」と不満を言う	治療前に「100%消えるのは難しく、シミが薄まるという効果です」と説明しておく 症例写真を見せてシミが薄くなっている効果を伝える 「ご希望であれば追加照射は可能です。」と説明する

患者様の中には「1回の施術で肌がきれいになるんだ！」と思っている人もいるので、丁寧な説明が必要です。

治療の効果は1回では限度があること、さらに効果を高めたい場合は追加の治療が必要なことを伝えます。

しっかり説明すれば、ほとんどの患者様は納得するのでナーバスにならなくてよいでしょう。

土日祝日に出勤がある

土日祝日に出勤があるのは、美容クリニックのデメリットの一つ。

患者様は土日祝日に多く来院するので、クリニックを開けて需要に応える必要があるからです。

週末は休めない分、他のスタッフと打ち合わせて平日休みを自由に希望できます。

例えば夏季休暇3日＋有給休暇2日＋平日休み2日₌1週間の長期休暇を取り、ハワイやグアムなど海外旅行を楽しめますよ。

土日祝日に休みを希望すると、まれに有給休暇として消費してしまうクリニックもあるので、事前に確認しましょう。

美容看護師と病棟看護師の違いは人柄？美容ナースに向いている人の特徴3選

美容看護師に向いている人の特徴を紹介します。

明るい人柄なら、患者様に好印象を与えやすいです。

笑顔で明るい接客ができる人

笑顔で明るい接客ができる人は、美容看護師として成功できるでしょう。

美容クリニックでは施術のスキルより、心地よいコミュニケーション力が重要です。

「この商品なら、こちらもおすすめですよー！」と気持ちよく商品紹介したり、ニコニコ対応してくれる看護師さんは好感を持ってもらえます。

人の心を察する力がある人

人の心を察する力がある人は、美容看護師に向いています。

初めて来院する患者様には「高いメニュー進められたら断れるかな」「肌を見せるの恥ずかしい…」と緊張する人も多いです。

患者様の表情を読み取り、安心できる言葉かけを意識しましょう。

「初めて来るときは緊張しますよね、分かります！」「お知り合いの方の紹介ですか？」と何気ない一言で、患者様はホッと緊張がほどけます。

美容好きで追求したい人

美容が好きで追求したい人は、美容クリニックで生き生きと働けます。

患者様が「ニキビが減ってきた！」ときれいになる経過を一緒に喜べたり、新しい治療も楽しんで学べます。

自ら好きな施術を選んで、社割で受けられるのも嬉しい特権です。

好きな美容を追求していけば、新しい知識も増えて「こんな効果がありますよ！」と詳しく紹介できる看護師になれますよ。

美容看護師と病棟看護師の違いは採用倍率も！美容ナースになるためのコツ3選

採用倍率は病院より高いと言われる美容クリニックの看護師。

美容看護師になるためのコツを紹介します。

美容好きの他に、クリニックに貢献できる武器が必要です！

美容医療で役立つ経験を身に着ける

美容クリニックに就職したいなら、美容医療の経験を身に着けるのが得策です。

クリニック側も、すぐに即戦力になる看護師を欲しています。

病院で手術介助を経験した人や、血管の細い女性への点滴が得意な人は美容クリニックでも役立つ特技です。

また、脱毛クリニックやAGAクリニックは、経験値に関係なく採用されやすいと言われている職場。

1～2年働いてレーザーや脱毛器械の操作に慣れてから、美容皮膚科や美容整形外科にトライする道もあります。

>【美容看護師】有利なスキルを紹介

コミュニケーション力をアピールする

美容クリニックの面接時には、コミュニケーション力をアピールしましょう。

患者様と密に会話する看護師のトーク力は、美容業界では重宝されます。

面接では第一印象でコミュニケーション力をアピールする必要があります。

回答する時は伝わりやすい言葉を意識して、表情や目線も取り入れましょう。

「話を真剣に聞いている」と伝わるように、最後まで話を聞いてリアクションするといいですね。

面接が不安な人は、転職エージェントと練習すれば面接対策できるのでおすすめです。

美容系の資格をとる

アピールポイントの一環で、美容系の資格を取る方法もあります。

「美容が好きで、〇〇の資格を取りました」と伝えれば「本当に美容好きで応募したんだ」と説得力が増すからです。

看護師資格だけでは、「受からないかもしれない…」と不安になりますよね。

しかし資格が一つでもあれば、応募する時に自信が持てます。

美容系の資格を強みに、胸を張ってアピールしましょう。

>美容看護師で役立つ資格の取り方

転職サイトなら非公開情報も教えてもらえる！

美容クリニックに就職したいなら、転職エージェントの力を借りましょう。

病棟看護師より、美容看護師の道は狭き門です。

転職に慣れていない看護師が一人でチャレンジしても、合格できない人がほとんど。

転職エージェントに相談すれば、面接で聞かれやすい質問をたくさん用意して回答もしっかり対策してくれます。

看護師は無料で利用できるので、エージェントの力を借りて転職を成功させましょう！

レバウェル看護

ナースではたらこ

マイナビ看護師

【まとめ】美容看護師と病棟看護師の違いは仕事内容や年収、生活リズム！

今回は美容看護師と病棟看護師の違いについてお話ししました。

病棟から美容クリニックに転職すると、仕事内容の違いに驚く看護師もいます。

美容業界で求められるスキルは、患者様の購買意欲を引き立てる会話や寄り添う姿勢です。

美容クリニックに慣れるのは簡単ではありませんが、成功すればキラキラ充実した日々を送れるでしょう。